もう3月になっちゃったじゃん

 書きたいものはたくさんあって、書きかけのものもたくさんあるが、何もできないまま3月が始まってしまった。
 なんか毎日忙しくて、毎日やる気が出なくて、くそーと世の中を呪っていたら、春が来ていた。花粉症でズビズバになっている人たちを横目に見つつ、暖かくなってよかったなと思う。寒いと眠れないし起きれないし最悪なので。暖かくなっても、朝は起きれないが。
 河津桜が満開なのがいいね。写真とかはないのだけど。田舎の山奥で育ったので、桜が咲くのはとても特別に感じる。卒業式にも入学式にも桜が咲かない土地で、つぼみがふくらんでから、今日咲くか、明日咲くかと心待ちにした日々を思い出す。いざ咲いたら梅雨の雨ですぐに散ってしまう、ぱっと咲き、はかなく散るというのが桜のイメージだった。
 関東に引っ越してそれが一変した。まず暖かくなるのがめっちゃ早い。2月末には暖かく、早咲きの桜が満開になる。気が付いたら咲いていて、なんなら散りかけている。このタイミングがいまだにつかめない。桜とは待ちに待って咲くものという印象が強く、そういうものだと思っている。なのに気づいたらもう散ってる!?関東に越してきてから、ふくらんだつぼみを見たことないかもしれない。春になるのが早すぎる。一瞬冬に戻るこの時期には、春を心待ちしていたことを思い出す。
 街路樹の沈丁花の香りもいい。マスクの時代なんて知らんといわんばかりにやってくるあの香り。金木犀と良い匂い街路樹の二大巨頭を張るだけある。将来庭のある家に住んだら、沈丁花金木犀は絶対植えたい。あのプラスチックみたいな花もいい。小さい花が集まっているのもいい。だが強い香りが苦手なので、自分の家のにあったら苦痛かもしれない。道を歩いているときに、ふと香る。一瞬の出会いが良いのかもしれない。
 花粉症ではないのだが、春は空気が乾燥というか、粉っぽい感じがする。あんまり吸いすぎたら喉や肺に悪いかもと思いつつ、その中に溶ける甘い花の匂いや若い草のにおいをたくさん肺に入れる。なんだかわくわくする始まりのにおいを胸いっぱいに迎える。
 忙しなさを乗り越えてまた元気が出できたので、この春の始まりとともに少しずつ進んでいきたいと思います。自分に余裕ができてきたら、よい時間を過ごそう。余裕がないいときは、ゆっくり寝よ。